病名で判断せず、個人の症状に丁寧に対応していくのがホメオパシー。
1918~19年にかけて世界中で流行したインフルエンザであるスペイン風邪では、通常の治療を受けた人の死亡率は約30%でしたが、ホメオパシーの治療を受けた人ではわずか1%という実績があります。
現代においても、コロナウィルスやインフルエンザウィルスなどの高熱や咳などの症状を確実に取り除いていきます。とりわけ、ホメオパシーの優れた点は、一般的な風邪症状以外にも、コロナの後遺症のような症状までしっかり対応できるレメディが揃っています。
実際にコロナにかかった薬剤師ホメオパスが、アセトアミノフェン(カロナール)やロキソプロフェン(ロキソニン)を使わずにわずか1日半で解熱し、後遺症までどのようにレメディを使っていったのかレポートと併せて、適切なレメディを選ぶためにどこに注目するのかポイントを解説します!
コロナウィルスでレメディを使う注意点
まずは「コロナだ!」という意識を捨てて、今、自分(家族)に何が起きているのかを丁寧に見ます。
「今、ここ」というのはホメオパシーでは、とても重要な要素です。
急性症状では、症状が変化しやすいので、些細なことでも見つけていく必要があります。
太字はレメディ選定のために必要な情報です。さらに詳しいポイントも解説していますのでご家庭でレメディを使う際にお役立てください!
発症から後遺症までの経過
発症前日:冷え・乾燥
おかしいな~と思ったのは、水曜日。
寒くなってきたのに、薄着で出かけてしまった。ちょっと冷えちゃったなと思いながら、夕方PC作業。
同時に乾燥が強くなってきたのも感じてきていて、とりわけ喉の乾燥感がすごい。
もとから、咳が出ていて喉が弱くなっているからちょっと不安。
ゆっくりお風呂に入って、レメディ取って、早めに寝よう…。
前日や1週間前くらいの間に、どんなことがあったのかも注目です!
風邪症状は冷えから発症しやすく、乾燥で一気に悪化します。この初期段階でもレメディが役に立ちます。
1日目朝:発熱・寒気・だるさ・筋肉痛・頭痛・咳
朝起きた時は、ちょっとだるいかも?ゆっくりしてれば大丈夫かなぁ…と思っていたのもつかの間、9時くらいから症状が本格化してきました!
- 熱が上がってくる感じ
- 寒気
- だるさ
- 筋肉の痛み
などが出てきました!
- 元からあった咳や痰もひどくなってきました。
- 頭も痛いような気がする…。
一般的な風邪初期症状です。
鼻水や痰の色や形状などもすごく重要です!
黄色っぽい? 白っぽい? 泡々?
ネバッとしている? 出しやすいか出にくいか? 流れるような鼻水? 卵白みたい?
痰がからんだ咳? オットセイみたいな咳? 空咳?
この時は、
- 痰を絡んだゴホゴホという咳
- 鼻水は卵白のようでトロッとしていて透明
- 痰はたまに白っぽいものか透明っぽいものが出る。
鼻水も痰もそんなには多くないという状況でした。
昼の時点で熱は37.5度
1日目夜:頭痛・目の痛み・熱さと寒気・動かずにはいられない
朝に取ったレメディがよくはたらき、1時間~2時間おきくらいに数回とっていました。
18時過ぎに症状が変わってきました。
喉に強い痛みがあったので、そこを中心としてあちこちが痛み始めました。
- 頭が痛い(全体的に)
- 特に骨(頭蓋骨)
- 歯も痛い
- 目も痛い
そして何より寝ていて気になったのは、
- 熱くなったり寒くなったりを繰り返す
- 手足をバタンバタン、寝返りもゴロゴロと打たなければならないほど動きたいのです。
急性症状では、「何が目立っているのか」「何が一番困っているのか」に注目します。
一般的な症状ばかり追ってしまうと適切なレメディが選びきれなくなります。
この時選んだレメディは、夜1回と翌日の午前中に2回くらい取りました。
夜には38.7度に上がりました
2日目昼過ぎ:喉の痛みが広がる・筋肉痛・咳
レメディのはたらきのお陰で、一番つらい峠は越しました。熱は37度まで下がりました。
バタンバタンと動かしていた手足は、なんとなくモジモジ程度まで治まりました。全体的に熱っぽくはありましたが、寒気はなくなりました。
熱が下がったことから、あらかたのウィルスを撃退できたと言っても過言ではないでしょう。
しかし、風邪はここからも油断はできません。極度に炎症がおきたので、各器官や細胞のダメージから細菌による二次感染に注意が必要です。
コロナウィルスの余波として、私は下記のような症状が目立ち始めました。
- 喉の痛みがすごくある
- そこから頭痛、目の痛み、耳の痛み、首のこわばり
- なんとなく首から上が膨張している感じ
- 痛いところを冷やしたい
- 筋肉痛が上半身に集中
- 発熱の間なりを潜めていた咳が再燃
- 咳や痰は初日と同じように、痰を絡んだ咳で、痰は白っぽい
「何をしたら楽になるのか」「何をすると悪化するのか」はレメディを決めていくうえでとても大切な情報です。
一般的に正しいかどうかではなく、その人がどうしたいかに注目します。
夕方以降は、またレメディを変えて2回ほど取りました。
3日目昼過ぎ:喉の痛みが耳・頭・目・首に広がる痛み
ぼーっとしながらも起き上がれるようになり、少しの家事などはできるようになりました。
しかし、3日目も2日目とあまり症状は変わらず、むしろ際立ってきました。
- 喉の痛みから耳、頭、目、首にまで痛みが広がる
- 微熱は続く
- 鼻水が加わりましたが、水っぽいものがほんの少し出る
- 食欲は全くない
レメディを変えてみることにしました。とにかく喉を中心として四方に広がる痛みがとてもつらかったです。
あまり症状が好転しない時は、新しい症状も加えて再度考えていく必要があります。
併せて、好んでいる飲食物、汗のかき具合、喉の渇きも押さえます。
特徴的な症状(忘れてしまった…)をヒントに、別のレメディにたどり着きました。
マテリアメディカというレメディの教科書のようなものに、そっくり症状が書かれていました。
痛みは、歯、喉から耳まで広がる。風邪は上方に移動する。
~Materia Medica Of Homoeopathic Medicines S.R.PHATAK
4日目:〈後遺症〉倦怠感が残る
残っていた首から上の症状は昨日のレメディがはたらき、全て取り去ってくれました。
ようやく朝にお風呂に入ることができ、のぼせやふらつきもなく割と爽快でした。
お風呂に入ったので、湯冷めしないように暖まっていようと思ったのですが、空気の入れ替えにと開けた窓から入ってくる空気が
- 実に新鮮に感じられ、その日はけっきょく夕方まで開けておくことにしました。
- それに伴って、頭にもお布団をかけたい気分。モコモコセーターを頭にかぶって過ごしていました。
外気を好むかどうかもレメディ選びの指標になります。
また、その人がとっている奇妙な行動も大変参考になります。
この時はすでに気温も下がりつつある時期でひんやりしていたのですが、とても気持ちよく感じられました
頭が寒いのならば窓を閉めれば良いのですが、正論だけで決めるのではなく「その人がどう感じて、どのようにしたいか」なのです。
5日目:〈後遺症〉汗がすごい、味覚症状、倦怠感
熱はすっかり下がり、35度台にまでなりました。なのに、
- とても熱く感じられ汗をかき始めました。
- 脱ぐと冷える、着ると熱い…。
- 風邪症状は、鼻水(透明、少し、たまに)、痰(透明~白)を絡んだ咳がたまにある。
- 口の渇きがすごくある。
- けれど喉は乾かない。
- 食欲はあまりない。
- 味がしない(うま味が全く感じられないので、何を食べても薄く感じる)
- 体のだるさ
ここからがホメオパシーの本領発揮でしょう。熱はないのに熱くて汗をかくというつじつまの合わない症状が現われはじめました。
ここで再度、「何が目立っているのか」「何が一番困っているのか」に注目します。
私の場合は、「熱はないのに熱くて汗をかく」という症状がとても不安に思いました
風邪症状ではメジャーなレメディではありませんでしたが、とても良くはたらき、「熱はないのに熱くて汗をかく」という症状を取り去ってくれました。
6日目:〈後遺症〉筋肉痛、尿量が少ない、倦怠感
6日目以降は後遺症に悩まされます。
- トイレに行きたい感覚もなく、行ってもほんの少ししか排尿できない
- 後遺症が痰がしょっぱい。
- 太腿の裏に謎の筋肉痛。
立っているのもちょっと辛い…。
コロナの後遺症で、「筋力低下」というのがありますが、私の場合、つっぱるような痛みも感じました。また、長く立つことができなかったのは、やはり筋力低下なのだと思います。
この3点に焦点を合わせてレメディを選びました。
2回ほどレメディを取り、2日半くらいでこの症状もなくなりました。
痰や鼻水の味や刺激感、熱く感じるなども重要な情報になります。
風邪症状と関係のないようなことも併せておきているのならば、それも一緒に考えます。
完全復活まで10日ほどかかりました。
どんなレメディを使ったの?
レメディは、Ainthworth社のセルフケアキット(42種)の中から全て選びました。
多くの臨床データなどをまとめた「症状からレメディを探す辞書(レパートリー)」と、マテリアメディカを使いながら、有効と考えられるレメディを検索し選んでいます。
どんな時にどのレメディだったのかは、あえてここでの公開は避けたいと思いますが、使ったレメディはAcon.(アコナイト)、Ars.(アーセニカム)、Hep-s.(ヘパサルファ)、
Ign.(イグネシア)、Lach.(ラケシス)、Merc.(マーキュリー)、Nat-m.(ナットムール)、Phos.(フォスフォラス)、Puls.(ポースティーラ)、Rhus-t.(ルトックス)などです。
「コロナにかかった」というだけでは、必ずしもここで紹介したレメディだけが有効というわけではありませんし、似たような症状でも微妙な違いからレメディが変わってくることがあります。
ですので、2023年には企画しております「ホメオパシー勉強会」などで詳しいお話をさせていただきたいと思います。
まとめ
セルフケアにおいて、おさえておきたいポイントを再度ここに載せておきます。セルフケアキットをお持ちの皆様のお役に立ちますように。
前日や1週間前くらいの間に、どんなことがあったのかも注目です。
鼻水や痰の色や形状などもすごく重要です。
急性症状では、「何が目立っているのか」「何が一番困っているのか」に注目します。
「何をしたら楽になるのか」「何をすると悪化するのか」はレメディを決めていくうえでとても大切な情報です。
好んでいる飲食物、汗のかき具合、喉の渇きも押さえます。
外気を好むかどうかもレメディ選びの指標になります。
その人がとっている奇妙な行動も大変参考になります。
痰や鼻水の味や刺激感、熱く感じるなども重要な情報になります。
風邪症状と関係のないようなことも併せておきているのならば、それも一緒に考えます。
レメディを使う時は、その時のほとんどの症状をおさえているものを1種類選びます。
2023年には、レメディをセルフケアで使用するための、気楽に参加できる勉強会を企画しています。
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