ホメオパシーのセッションをしていると、耳が良くなるような気がします。
これは聴力のことではなくて、クライアントさんが話している文脈、単語がよく聞こえてくるということ。
本人は何の気なしにおしゃべりしているだけ。でも、ホメオパシーではそれもとっても大切!
口癖、その人らしからぬ単語の選び方、言い回し、そして問題点。
セッションが終わって帰られる時に、「なんか、ただお喋りしちゃった!ごめんなさいね」と。
いえいえ、ちゃぁんと受け取っておりますのでご安心を、と。
必要なことはもちろん突っ込んでお尋ねするのですが、無意識に話しているその姿こそが「THE あなた」なのです。
今日は、そんな中で「否定語」について。
脳は否定語を理解できない
けっこう否定語でお話する方もいます。本人はあえてそのように話しているという自覚はないんですよね。
否定語で話すとはどういうことか、下に例をあげます。
例え
- 忘れ物しないように!→ 忘れ物する、出かける→ 忘れちゃった…
- こぼさないで持って行って!→ こぼす、持って行く→ こぼしちゃった…
- シロクマを想像しないで!→ 想像する→ ぽわーんとシロクマ像が浮かび上がる
- お金がなくならないように節約してるの→ お金がなくなる、節約する→ 節約してるつもりなのになんで財布が空っぽ?
- 深刻に考えないようにしてる→ 深刻に考える→ 悩みはつきない、気分転換できない
実は「脳は否定語を理解できない」というタイトルも既に否定語で話されている文で、あなたの脳の中では「脳は否定語を理解する」と解釈されています。
これはどういうことか…。
脳には言葉を理解する順番があって、「遅刻しないで行きなさい!」は、「遅刻する」→「これはダメなこと」と理解し、実際の行動は「遅刻していく」になります。
後半いくら肯定語を使用しても、前半の否定的な単語を理解し、その通りの行動を引き起こすこと。これは多くの方が経験していることでもあり、研究されていることでもあります。
言語習得に関係ある?!
ついつい否定語で語っていませんか?
これは、本人がそもそもそういう人…ということもありますが、けっこう家庭環境も大きかったりします。
小さい時からくり返しくり返し、親や周りの大人の言葉を聞いて私たちは言語を習得します。
赤ちゃんの時から文法で日本語を覚えた人います?
実際の現象とその理解に聞こえてきた言葉を合わせて、自分が同じように行動した時に話してみて、そして直されて…、というプロセスをくり返して、ようやくそれなりに話せるようになります。方言や敬語はわかりやすい例かもしれません。
ある地方に出かけた時に、全く違う言語!と驚いたことは、あなただけではないはずです。ですが、いざ引っ越して住んでみると方言も喋れたり理解できるようになりますよね。
バイトや会社に入ってみて、初めて敬語で喋ってみるということもあるでしょう。(習うことは習いますが、実際には使いませんよね)
このように言葉は、ある一定のコミュニティでは違和感なく通じるというのも、ビジネス語、専門業界を想像してもわかることだと思います。
では社会の最小単位、家庭で親や祖父母が、否定語を使って注意したり、いつも話をする時に否定語が含まれている、どうでしょうか。
子どももそれを聞いて育つということです。親は子どもが否定語を使って話していても違和感を持つことができません。
ホメオパシーでは、「お父さんやお母さんってどんな人ですか?」ということも大いに参考にします。
家庭環境だけではなく、あなたに影響を与えるような人や場というのもここに入りますね。
否定語は潜在意識からのメッセージ
ホメオパシーは、「抽象化(ちゅうしょうか)」と「具現化(ぐげんか)」の二つを合わせて見ます。
抽象化というのは、重要なことや核心的なことだけに注目して共通する要素を抜き出すことという意味です。いわゆる、「本質を捉える」ということ。
具現化というのは、考えや理想などを実際の形やものにして実現するという意味ですが、あなたの考えや理想がまず先にあって、そこから体に現れたり、実際の現象が起きるという順番です。
「こういう病気があるんです」とあなたが言っている身体のこと。または、「こういう問題があるんです」という人生上の悩みのこと。
ここで、冒頭の「脳は否定語を理解できない」の話になるのですが、あなたの考えていることや理想を語る時にどんな言葉使いをしていますか?
不安心配性、自信がないのは否定語で話しているから
常に不安や心配があったり、自信がない…という方は実に多くいらっしゃいます。
もう一度、冒頭の例を使いましょう。
- 忘れ物しないように!
- こぼさないで持って行って!
- シロクマを想像しないで!
- お金がなくならないように節約してるの
- 深刻に考えないようにしてるの
これ、何を言っているのかというと、全てが「そうなったら嫌だな」というマイナスの理想。
マイナスであっても理想は理想、それが実際の行動や現象に具現化するのです。
そしてもう一つの問題は、人格形成の上では大きな戸惑いになります。
- まだ自分が経験していない未来の時間軸について指示される
- 失敗を連想させる
- つゆほども思ってないようなことをいきなり否定という形で言われる
忘れ物しないように、こぼさないで、お金がなくならないよう、深刻に考えないように | 先の出来事を想定しての注意喚起ですが、未来の予測って本当はとても難しいですし正解はわからないものです。ですが、確実にイメージさせられること、それが「失敗」。
それについて瞬時に理解しろと言われるのですから、本能に従うのは理にかなうでしょう。 |
シロクマを想像しないで | 全くそんなことをするつもりもなかったのに、いきなり否定される。あなたはどんな気持ちになりますか?
悲しくなるだろうし、意識したことがなかったものに急に意識が向いて変に硬くなりませんか? |
正解はわからず、失敗のイメージ、いきなり否定。
人は体験を積み重ねて経験となりますが、経験したことは確信もって「できる・できない」と判断することができます。そこはそんなに面倒だったり、難しいわけではありません。
ですが、全くの経験のないことばかりで会話が進められると大きく戸惑います。
否定語を使うことは、自分で考えるための判断基準を持つことは難しく、常に「誰か」に頼ったり、振り回されることになって、依存したり、人のせいにしてしまったり、新しいチャレンジを恐れるようになって「自分」や「今」を見失います。
自分を見失ったら、自分を信じることはできません。今を見失ったら、常に未来の心配か妄想、過去の後悔や栄光にとらわれやすくなります。できれば「今」と結びつく未来や過去にしていきたいものですが、そうやって、あてにならないものをあてにするのですから、そりゃあ不安にも心配にもなりますよっていう話。
だから、せめて自分が何かを発言する時は肯定語で話してあげたいですよね。
肯定語で話す習慣をつけよう
残念ながら、肯定語は慣れてないとスラスラ出てこないもの。
なので、いつでも「これはどういう風に言うことができるかな?」と考える癖をつけたいものです。
最初は意識しないとできなかったことも、だんだんと自然に思考が変わってきて、それが言葉となって出るようになります。
これは枠組みを変えて感じ方も変える「フレームワーク」のことで、心理学では「リフレーミング」といいます。
言い換え|例え
- 忘れ物しないように!→ 全部、持った?
- こぼさないで持って行って!→ そうっと持って行ってね
- シロクマを想像しないで!→ ピンクのゾウを想像して!
- お金がなくならないように節約してるの→ お金がもっと貯まるように節約してるの
- 深刻に考えないようにしてるの→ 楽観視することにするわ
いかがでしょう。
言い換えた方が、なんとなくポジティブな気分になりませんか?
同じ具現化されることが待っているのなら、自分の本当に願っていることが叶った方がいいですよね。
「本当は自分は何を言いたいのか」を確認すれば、肯定語を使うのは簡単になります。
「肯定語を使うのは難しくはありません」と言うこともできますが、「肯定語を使うのは簡単になります」とあえて使っています(^^b
肯定語を使うことで3つのメリットがあります。
肯定語を使う3つのメリット
肯定語を使うメリット①|自分も相手もできる人になる
もう一つ厄介なのは、脳には「主語を理解しない」という特徴があります。
「できない」「なくなる」「楽しくない」などの否定語を使うと、それが相手に向かって使ったとしても、脳は主語を特定できないので全てが自分のことだと認識してしまうのです。
こぼさないで持って行って!
些細な注意のつもりでも、自分にも失敗や否定の呪いをかけていることになります。
肯定語も同じことで、相手に慎重な行動を求めたり、成功をイメージするような言葉かけは自分のセルフイメージを高めることになります。
だから、自分で何かを発言する時は自分のためにも肯定語で話してあげたいですよね。
肯定語を使うメリット②|別の視点で考えることができる
今まで思い込んでいた考え方を別の視点から捉えなおすことになります。
シロクマを想像しないで!→ ピンクのゾウを想像して!
そうしないためには何をしたらよいのか?
全く新しい発想を求められます。これが「今ここに」に連れ戻してくれます。現実を知る、あるいはデータを見るなど、足がかりになることを探す力がつきます。
もう一つ、自分で課題を見つけ出す力もつきます。
忘れ物しないように!
忘れ物って、どれのことでしょう?
忘れ物って曖昧な言葉で、実際にはどれを指しているのか全く見当がつきませんよね。
けれど、
全部持った?
にすると、自動的に相手の頭の中では、今日何があって、それには何が必要で…と、持ち物についておさらいするでしょう。
体育があるからジャージ、大会だからユニフォーム、プレゼンがあるから資料、お友達に会うから昨日焼いたクッキー…。
連絡を取るには携帯、出かけるから財布、花粉症だからティッシュ、車に乗るから鍵…。
このように、自分でチェックし間違いは訂正したとしても、人から言われるわけではないので嫌な気持ちになりません。
間違いを訂正できた自分、全てできた満足感、どちらにしても「自分はできたよ!」と肯定する気持ちが芽生えます。
この肯定感が続くと自信もつくし、多少の失敗でも許すことができたり、リカバリーするにはどうするかという余裕が生まれます。
そして、あなたは何を持って何を持っていないのか、相手にゆだねることができるので、うるさく口出しする必要がなくなります。
肯定語を使うメリット③|ビジョンが見えやすい
お金がなくならないように節約してるの→ お金がもっと貯まるように節約してるの
「もっと貯まる」のほうが、「どのように」「いつまで」「いくら」も思考に上りやすくなります。
考える基準ができるので、あとはその基準に照らし合わせていく「作業」になり、漠然としたところからのスタートよりは、はるかに楽に感じるでしょう。
「お金がなくならないように」は、今ある額がマックスという考え方。けれど、もっとあった方がいいと本当は思っているのなら、この思考のままだと、方法も金額も頭打ちだとということに気がつくでしょう。
まとめとおまけ
- 否定語を使うのは実は言語習得に関係がある
- 否定語は潜在意識からのメッセージ
- 不安心配性、自信がないのは否定語で話しているから
- 肯定語への変換トレーニング
- 肯定語を使う3つのメリット
楽に生きるには、ちょっとしたコツも必要。
おまけとしては、これもつい言ってしまう「どうしようかな」。
ではなく、「まず何をしようかな」と言い換えるのも、自分を楽にしてくれるワードです。
特に、人に頼りがち、優柔不断というあなたは、このワードに変えるだけで自分軸を取り戻すことができます。